最近すごいことに気づいた。

 Tシャツの崩壊の仕方である。

 これまでパンツの崩壊の仕方については、つぶさに目撃、経験してきた(最近、やたらに「経験値」と言うのがとても耳障りです。「経験値」なんて、ゲームの話しに限って使えばいいじゃない。単に「経験」と言えばいいのに。W杯でも解説のおじさんが「これは経験値になります」なんて言っちゃって。あー腹立つ)

 パンツの崩壊の仕方は、これは全体を構成しているパーツが一挙にバラバラになります。つなぎめ、主に股間あたりの十文字の縫い合わせ部分から糸がほつれ、バラバラのパネルになっていく。途中ゴムのところは保たれるので、ほぼ、暖簾を履いてるような状態になります。最近の酷暑には、かえっていいかもしれないけれど、下着本来のお洋服を汚さないという機能はないがしろですので、いたしかたなく当該パンツは引退になります。

 で、今はパンツの話じゃなく、Tシャツの話ですが、私、真夏はパジャマを着ません。裸で寝ているのでもなく、Tシャツにパジャマのズボンという姿で寝ています。エアコンして寝てても、一晩着れば、Tシャツにはおじさまフレグランスがしみこみますので、一回着たら洗濯。そういう寝巻き用のTシャツは、首元が楽なVネックがメインストリーム。冷房効きすぎちゃったりしたときは、この上に一枚はおったりするんですが、そうすると、ちょっとした普段着の吉田麻也選手スタイルです。ファンです。

 で、この寝巻き専用のTシャツ達、これは長年着込んだほうが気持ちいい。もはや、着てないくらいスケスケになっているものもある位です。ほとんど透明です。寝坊した午前、宅急便の人が来た時、「寝巻きだけどTシャツ着てるからいいや」なんて思ってドアを開けたら大変です。スケスケ。あの家は変態だと認定されてしまいます。ちなみにスケスケか極端に薄手かどうかの分水嶺は乳首が認識できるか否かでしょう。

 さて、この着込んだ寝巻き専用Tシャツ達、崩壊がどこからはじまるかというと、これが例外なくワキなのであります。もう絶対にワキ。「あああ」と朝、伸びをしたとき、なんかスカスカするなと思うと間違いなくワキに穴。他人のそれと比較したことがないので確実とは言えませんが、ワキの毛が特別に鋭利なタイプとかではないと思います。眠ると特殊なガスが発生していて繊維を劣化させているということなのでしょうか。もしそうであれば、おそらく私自身も体を壊していると思われるので、それも違うでしょう。ペットがハリネズミとか硬い抱き枕をワキで挟むなんてこともしないし、やたらに背伸びの運動をしているわけでもありません。でも確実にワキから崩壊します。現在手持ちの寝巻き専用Tシャツのほとんどにこの症状が見られます。しかし、この酷暑にあっては、もしかしたら、これは大いなる力が働いて、暑さに負けぬようにわざと穴を開けてくれたのではあるまいか、と神学的仮説をたててしまいたくもなります。ちなみに、この穴を塞ぐことはできません。布地はへろへろに薄くなっていて糸を通したら、そこから穴が開くからです。そんなことを思いながら今宵もおそらく、このワキ穴Tシャツを着て寝るのでしょう。裸の王様の夢を見るまでは、着続ける気がします。