最近、米倉涼子や蒼井優が出てくるきわめて濃密な夢を見ている。夢か現か、な感じがつづく今日この頃。今朝起きたら、こんなものがマックの画面上に残されていた。ほんとにほぼ書いた記憶が無い。ずっと尺八を聴いていたが、そのときぱちぱちやっていたが……だいじょうぶなのか俺?
でも、捨てるのもなんなんでアップしときます。

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おなら男


仙人に憧れるごくごく普通の男が一人、山の中で空を飛ぶ人を見た。すいすいと空を飛ぶ人が降りる先へ駆けて行き、ようやく見つけた相手に尋ねた。

「私は平凡な男で、ずっと仙人にあこがれておりました。あなたこそ真の仙人。どうか、この卑しき男に空の飛び方を教えてください」

空を飛んでいた男、小屋を指差すと、そこにあったのは夥しい芋の山。堀りたての泥つきで、その数ゆうに千本。

「私は、あれを食べているだけです」

仙人に憧れる普通の男は土下座までして頼んだ。

「どうか私にもアレを食べさせてくださいまし」

空を飛んでいた男はうなずき、ごくごく普通の男はいきなり芋をかじりだし、たちまち三本もたいらげてしまった。

ごくごく普通の男は、やおら崖っぷちに立ち、

「では」

と一言残して飛び立ったが飛べるわけもなく、そのまま石ころのように落下していった。

仙人が崖下を見下ろすと、豆粒ほどの普通の男の姿が。

仙人は懐から芋をとりだし男めがけてほうる。さすが仙人、男に命中し、普通の男は見上げて叫んだ。

「……あなたはとんでもない嘘つきだ、まったく飛べなかったじゃありませんか」

「そこから飛んで戻ってきなさい」

ごくごく普通の男はしばらくへっぴり腰になって飛ぼうとしていた。
だがしばらくして諦めたのか姿を消してしまった。 

仙人は崖の下に食べかけの芋が残されているを見てため息をついた。
それから芋の山から一本、とっておきの立派な芋を抜き取り、焚き火の中につっこんだ。
ぱちぱちと燃える焚き火にあたり、仙人は一人つぶやく。 

「芋は生で食うな」

お芋から漂ういい匂いに仙人は頬をほころばせた。