ついに寝てても点数をつけられる世の中になってしまった。

 低反発枕という、頭をのせると非常に緩慢に沈んでいくのが低反発たる由縁なのだが、最近、低反発というよりは無反発になってしまい、沈んだ頭がそのままズルズルと落ち込んでしまう。頭の重量がここ最近急激に増加したとも思えず、むしろ脳もスカスカして重量は微減しているぐらいだろうから、要するに枕が寿命をむかえつつあるのだろう。買い替え時だ。入稿したし、枕を探してうきうきしながらネットサーフィンしていたら、

「睡眠計 スリープスキャン」

なる商品を発見し驚愕した。ベッドの下にしいておいて、寝付きの時間、深い睡眠の割合、途中何度目が覚めるかなどを計測した上に、それら一切を総合評価する「睡眠点数」なるものまで示してくれるという。しかもデータはパソコンで集計することができて自分の睡眠がどれだけダメかどうかビジュアル的に思い知らせるのだそうだ。要するに家庭でためしてガッテンを実践する機械みたいなものなわけだが、果たして睡眠に点数なんかつけられて人は眠れるものなのだろうか?

緊張して眠れない夜の代表例といえば、遠足の前夜、初めての◯◯◯の前夜とか、そんなところだ。あとは試験の前夜。これも準備万端であっても、なかなかガーガー眠れるものではない。だが、睡眠点数なんてつけられるということは即ち「睡眠試験」を毎晩ためされているに等しいわけで、

「明日の睡眠点数を高くするために今夜は徹夜だ!」

とか

「絶対満点とってやると思ってたらギンギンになっちゃった」

とか

「よく寝るために今夜はアレためそう」

という事態に陥ることは容易に想像がつく。そして、このスリープスキャンによって及第点をとれない人達は

「睡眠おちこぼれ」

となりかねない。体重計の会社の製品だから数値はきっと正確で的確に自己の睡眠のレベルを認識させることは間違いない。ちなみに注意書きには

<2人以上やペットなどと一緒では正しい計測はできません>

と書かれている。
少子化を進めるつもりか?


とまれ、なんなんだろうこの機械の存在意義は。眠れなくなりそうだ。