驚いたことにもはやクリスマスイブである。

あっという間、ではない。なんだか去年のクリスマスなんて3年ぐらい前に感じるくらい、最近子どもの頃のように時の流れゆっくりしている。なぜかはわからぬ。進まぬ原稿のせいで、体内時計がメロメロなのかもしれぬ。

とまれ、昨晩、PLSMISで行われたslowform主催の『うたって、かなでて、かいて』というイベントでまたしても即興小説をやったのだが、そこでもクリスマスの話しにまとめたのだが、来てくれた人達の雰囲気がやさしく、ああクリスマスってええなあ、と何故か関西弁になりそうなほど感無量であった。

そういうわけで、クリスマスというのは、一時のレストランの予約がどうのとか、ティファニー買ってどうのとかいう時代が去り、なんというか、日本でも家族の日とか、要はあったかい感じの日になりつつあるんではないか、と思ったのである。

それで、昨晩、これまた縁あって、昨晩共演させてもらったバンド「つきのうみ」のメンバーであるT川Kるクンのつとめる白楽のeimekuという店に行ってクリスマスのギフトを買いにいったところ、これがまたいい光景にめぐりあった。つまり、一人でやってくる男の人達、それも充分に大人の男の人達が結構な数。黙って、それでも目は真剣に選んでいる。ナチュラルでなんというか俺はその様子が楽しくて、白目のはじっこのほうを使ってそうっと観察していたが、

「あ、そのブローチ奥さん喜ぶで!」

「そっちより、そっちのストールの方がええやんか、あああ…」

「あかんがな、それ、俺が欲しい…」

とか、ちょっと、そういう女の人向けの贈り物が若干苦手そうな男性達の物色ぶりを心密かに、やっぱり関西弁(用法の正誤はわからぬ、なんちゃってでもええやんけ、関西弁好きなんやから)応援したりしていたのであった。

そんな彼らが一人ずつ、一目でプレゼントとわかる、素晴らしく奇麗な包みを大事そうにかかえて帰って行くのを

「ほな、よいお年を」

とこれまた心密かに関西弁で送り出したところ、

「お待たせしました!」

と俺が待っていたプレゼントも包装が仕上がり、俺は意気揚々と店を後にした。おそらく今年は最後の来店かと思ったので、やはり

「よいお年を」

と言ったが、もちろん関西弁ではなかった。
ほな、みなさん、Happy Christmas!