いろいろサボっているのがバレてしまうんじゃないか、とビビってブログを全然更新していなかったが、まあ、息抜きもしちゃってます的な雰囲気を出しつつひさびさに書いてみるわけだ。

つい先日のこと、キリンズと呼ばれる男7名のすさまじい面子の会合があり、この大好きな会合へ出席すべく、オレはいつも通りへなへなと二子玉川へ赴いたわけだ。

メンバーのYちゃん氏がpeace tokyoというとっても素敵な場所をリザーブしてくださり、いそいそ目指して駅を出たオレは、とりあえず自らの体内磁石だけを頼りに行ってみた。

「河原にあるかっこいいカフェ」

という獏たる目標と、HPで見た地図の記憶を思い出しながら行けば簡単に着くだろうと高をくくっていたのがいけなかった。

10分ほどぐんぐん歩いてはたと気づいた時には遅かった。ニコタマの堤防脇はインスタント樹海に姿を変え、オレはどんどん雰囲気のいい住宅地と堤防と生い茂る木々に囲まれ、いたたまれない状況に陥った。

「意外に近くまで来てるかも」などと考えて必死に自らを鼓舞したのだが、街灯が茂った木に隠されて明かりも、どよんと暗くて小泉八雲の「むじな」みたいな具合になっていく。

道を聞こうにも、人がほとんどいない。時折、シャレオツな女性が帰宅を急いで歩いていったりするのだが、彼女らに、こんな暗がりで話しかければ、自ら冤罪を招きかねないという自己防衛本能が働き、畢竟オレは久しぶりにパーフェクトに路頭に迷った。

iPhoneのマップを使って調べてみるものの、こういう時オレのiPhoneはびっくりするくらい我が侭ルーシーな奴で、地図上に「現在地」を意味する青い印がポヨンと浮かび上がるのだが、示しているのは駅前の賑やか空間で、明らかにオレのことをさらに深みにはまらせようとしている。悪意をもった人工衛星にGPSで地獄へ誘導されるなんて冗談じゃねーぜ、とオレはSF映画の脇役をきどって必死で探しまわったところ、今度は古い堤防脇道に出た。

そこへおりよく、自転車に乗った、年の頃は還暦を幾年か過ぎたとおぼしきベージュのシャツ(余人には着こなせないナイスなヤレ感漂う一着であった)を着た自転車おじさんが到来したので、思い切って

「すみませんpeace tokyoってどこですか?」

と尋ねた。おじさんは、しばし考える素振りを見せると、しっかとオレを見つめて言った。

「パチンコ屋さん?」

地獄でおとぼけであった。

 

かくして、オレの二子玉川一人旅望郷編はフォトグラファーAちゃんのナイス助け舟テレフォンがかかってくるまでひたひたと続いたのであった。