現在ちょっと興奮気味。
 NHKの「みんなのうた」を見た。
 グラスホッパー物語、という歌をやるという。歌い手のところに「高見のっぽ」とある。
 高見にのっぽ、きたら、そりゃあ、あのノッポさんでしょう。
 固唾をのんで画面(14インチテレビデオ)を凝視。
 はじまった。セピアがかった色調の人形アニメ。バッタの紳士が切り株の上で踊りだす。バッタの紳士というと、「みつばちマーヤ」のフィリップ(声は波平の永井一郎、余談)を思い出す。と人形のバッタはおもむろに人間に変わった。
 やっぱりノッポさん!
 久しぶりだなあ。長い手足でダンスをする。歌の調子はなんていうかシャンソン入った浅草オペラというか、どこかで聴いた感じのマイナー調。哀愁。
 難点は、やっぱりノッポさんだけに唄わないで子供が唄うこと。だが、これは日本語のせいなのかしら、子供のコーラスは圧倒的にインドーヨーロピアン系の言語のほうが美しい気がします。だから、なんとなくいやだなあ、と思っていたら。ノッポさん、やっぱり最終回で喋ってから徹子の部屋でもペラペラ喋ってたし…唄いだしのだ。
 うまい!
 ほんとにいいの。
 歌詞は、バッタの紳士が、若いころはやんちゃして外の世界へ旅したよ、今はこのバッタ家代々の地から出ないけれど、君たち孫たちは大いに冒険するがいい。この世界は君らのものさ、みたいな。
 歌詞もくすぐるし、少しビブラートのかかる、灰田勝彦っぽいかしら、ノッポさんの唄い方。あまく切なく、ちょっと酔いどれ感があって。途中、語りが多く、ようするにミュージカルなのね。ものすごい短いんだけど。みんなのうた、って見た後でみんなのうたで唄うもののような気がするから、はっきりいって長台詞多用のこの一曲はルール無視なんだけど、それも構わないって思わせます。
 
 ぼくらがおじいさんになったとき、こんなふうに思われたらいいよなあ、なんて思ったけれど。日々の自分の仕事、みんなの印象に残せるかしら。できるかな?できるよね。

 
※ちなみに、今月のみんなのうたの「クロ」という歌。アニメはおーなり由子さん。これが泣ける。号泣。遊佐未森っていう人はこういう歌を唄うんだね。