萬年筆がこわれた。

クラリネットも壊したことがないし、動かなくておじいさんの記念の大きな古時計も家にはないが、とにかく萬年筆がこわれた。

故障、なんていう生易しい状態ではない。机に置くと、もはや萬年筆の部品でしかない。

もうちょっとくわしく容態を述べると、インクをいれるためにクルクルっと回転させる軸の後ろのところが丸ごと脱落した状態。時々、国道なんかをトレーラー無しで疾走する「前だけ」状態の日野とかFUSOとかISUZUに出くわすが、あれは、二宮金次郎の銅像が背中に背負っていた薪をおろして突っ走っているみたいなもので、とても情けない。で、瀕死というか死に体の萬年筆はまさにこの状態。

キャップをはめると「頭隠して尻丸出し」である。

ちょっと前から、インク充填の際に件の尻軸をぐりぐり回すとき、やけにギリギリと抵抗があるので、なんとなくイヤな予感がしたが、あるとき、

「くるくる〜」っと軽くなり、これは流石「鳥のフン印」(白い星のやつ)の萬年筆、自然治癒したか、抽き出しの中のスピリチュアル、文具の世界の高樹沙耶=益戸育江の力技?なんて思ってみたが、あにはからんや、尻軸自体がすっぽり抜けてヒャラヒャラ回っていただけであった。

というわけで修理に出さないといけない。

で、悩むのがどこを窓口にするか、だ。

買ったのは丸善だけれど、最近ちょいちょい寄るのは近くにある鳥のフン印専門店、だが、ぼくがずっと前から一番萬年筆を買ってるのは東京駅の大丸で、どのみち同じ工場に送られて修理されるんだろうから結果はかわらないはずだが、とはいえ、同じホッピーを飲むにしても、拙宅近くの伝説の店「スナックは◯た」と野毛の隠れ家「スナックヒッ◯リー」とものすごい楽器がある「スナックア◯ール」(全部近所)、さらに「スナック街◯」もまた捨てがたし、それぞれ感じが違う…って全部スナック点。

ま、いいから早いとこ修理に出しとこう。